結論から言ってしまうと、油脂は化粧品には向かないです。

油脂ってめちゃくちゃ酸化しやすいんですよ。油脂系クレンジングがいいよと言っている人は、油脂が酸化しないという机上の空論でお話をされていると思います。

油脂がどれくらい酸化するのか、自分たちで実験をしてデータを取ったんだけど、開封直後から酸化が始まって、１週間後にはすごい酸化度合いになります。（下記グラフ参照）

酸化しやすい油脂系オイルは化粧品には全く向かないです。化粧品を作るための原料として開封した瞬間から酸化が始まり、商品としてお手元に届く時にはさらに酸化が進んでいます。酸化すると肌刺激に繋がります。リスクがあまりにも高いのでMERAYの場合は油脂系オイルを使用する選択肢は早々に排除しました。

そうです。大手メーカーさんが油脂系オイルを配合したがらないのは、化粧品として配合するにはリスクが高すぎるからです。

油脂系オイルが肌の成分に近いと言っている人は、油脂に含まれる脂肪酸を、肌の皮脂に含まれるトリグリセライドという成分と同じだという解釈をしているんです。でもこの２つは、別物です。

ちなみに皮脂のなかで単一成分として最も多いのはワックスエステルという成分です。皮脂のおよそ1/4、25%がワックスエステルなんです。そしてMERAYのバタークレンジングに65%以上配合されているゴールデンホホバオイルのおよそ97%はワックスエステルでできています。つまりゴールデンホホバオイルと皮脂は近い成分であると言えます。

その言い方であれば正しいです。何かと比較してではなく「油脂系オイルは皮脂と近い成分だ」というのは誇大広告だと思います。

油脂系オイルより肌馴染みがいい合成オイルはたくさんあります。なので油脂系は肌馴染みが良い、という解釈も間違ってますね。

油脂系オイルは非常にクレンジング力が低いです。だから、そもそも現代女性のアイメイクやティントなど濃いメイクを落とすのには向いていません。基本的にクレンジング力と毛穴汚れを落とす力は同義だと考えられているので、クレンジング力が低いということは、毛穴への効果も限定的になるということですね。

それは油脂系オイルではなくエステル油の特徴ですね。

油脂に対して作られたイメージって、炭化水素油に対するネガキャン（ネガティブキャンペーン）だと思うんですよね。何かを悪者にして自分たちの商品はいいよ、と謳うのがネガキャンです。ノンシリコンがいい例ですね。シリコンを悪者にして、シリコンを使用していない自分たちの商品はいいよ、と言っていたわけです。

ノンシリコンと一緒で、炭化水素油を使わずに、油脂系オイルを使っている僕たちのクレンジングはいいよ、というネガキャンなんですよ。でもオイルの比較をして油脂系が１番というのは、本質とは異なると思います。油脂系オイルの優れているところはここ、という形で表現するのはいいと思いますが、◯◯オイルと比較して油脂系が１番という表現をするとネガキャンになっちゃうな〜と思います。

でも油脂系オイルも優れているところがあるんですよ！ 料理には適しているので、料理にお使いいただければと思います。

オリーブオイル、米糠油とか食べてるでしょ。

だから料理に使う油も酸化するからあまり多く摂らない方がいいって言われているじゃないですか。だから料理の世界では、油脂系オイル＝酸化するということを知っているはずなんです。なのにスキンケアの世界の話になった途端に、神がかったオイルとして捉えてしまうというのは、完全に情報操作されているということです。

油脂系の中でもいい油、そうじゃない油があります。なので「油脂」として一括りで考えてしまうのもよくないですね。油脂の中でも油によって酸化度合いは全然違いますから。