そもそも◯◯フリー・無添加と書くことで、それらがあたかも悪いものだと錯覚させることを狙ってるんだよね。

もちろん。化粧品業界でずっとやられてきたネガティブキャンペーンという手法です。何かを悪者にして、自分たちの商品はそれを使ってないからいい商品です、という昭和的な売り方ですね。

確かによくないものもあります。でも「シリコン」みたいに一括りにしてしまうのが問題です。シリコンって何百種類もあるんだけど、使わないほうがいいものもあれば、むしろ使ったほうがいいものもあります。それをどう組み合わせるのかが化粧品研究員の方の腕の見せ所なんです。

化粧品を作っている人で「本当にシリコンが危ない」なんて思っている人なんていないでしょう。それをひとまとめにして悪くいうのはとてもリテラシーが低いと思います。

エタノールはアルコールなので、肌刺激になる方もいらっしゃいます。僕もアルコールは含まない商品の方が好ましいと考えています。あとは鉱物油かな...でも鉱物油も一概に全部悪いとは言い切れないですね。全部そうですけど、カテゴリーをひとまとめにして語るのは、ナンセンスです。その中で使えるもの、使えないものがあるので。

こういう表現って、情報弱者をターゲットにしているということが見え透いてしまって、僕は好きじゃないですね。

そうだね。誰かを悪者にして自分たちはいいんだよ、と言っているブランド側の姿勢が僕はダサいと思ってしまいます。自分たちが本当にいいものを作っているのであれば、いいところを丁寧に説明すればいいだけで、何かを悪者にする必要はないと思います。そういうこと言っているということは、売れる強みがなくて、◯◯フリー・無添加に頼るしかないんだろうから「商品スペックが低いのではないか」と勘ぐってしまいます。

パラベンって防腐剤のことなんですが、防腐剤の世界でパラベンはとても優秀なんですよ。

パラベンを使わないということは、パラベンよりも肌刺激が強いフェノキシエタノールなどを使う必要性がでてくるということです。化粧品は防腐剤がないと腐ってしまうので、ほとんどの製品に防腐剤が入ってます。なのでパラベンフリーは気をつけた方がいいです。パラベンよりも肌刺激が強い防腐剤が使われている可能性が高いです。

だからパラベンフリーよりは防腐剤フリーのほうがいい気がします。ただ防腐剤フリーと書いてあっても、防腐剤＝パラベンととらえて防腐剤フリーと記載しているメーカーさんもあるので、消費者としては何を信じたらいいかわからない....となってしまうと思います。

だから僕は◯◯フリー・無添加を謳っていないメーカーさんの方が信用性が高いと思っています。でもこういった◯◯フリーって言い方はわかりやすいから売れるんですよ。でもわかりやすい表現に騙されてはいけません！

むしろそれを謳っていないメーカーを探した方がいい商品に出会えるかもしれないです。もしくは３つくらいに絞って訴求しているとか。数が４つ以上あるところは「怪しいな〜」と思ってしまいます（笑）